恩師からのはがき
就職活動に邁進する周囲とことなり、
その頃のわたしは波に乗れず、一般企業にするか、教員にするかさえも結論のでないまま、漫然と教員採用試験を受けていました。
筆記試験をパスして、2次試験の模擬授業、
集団討論を経て、個別面接へ。
とにかく、落ちたくない。就職率が90%超の自分の大学で、自分だけが就職できないかもしれない、と言う焦りと、いったい何になりたいのか、という疑問が整理のつかないまま、ただ、落ちたくない、というメンツだけで、のぞんでいた面接でした。
面接の部屋に入ります。
3人の面接官がおり、椅子を勧められ、
腰掛け、面接官の顔を見たときです。
あっ。
面接官の一人は、わたしの高校時代の恩師でした。
教育委員会に抜擢されて、現職の教諭から教育委員会に入ったとは聞いていましたが・・・
「○○さん(わたしの名前)久しぶりだね。君に会えるの、楽しみにしていたよ。」
温かくほほえんでくれた、先生。けれども、次の言葉はわたしの胸を刺すものでした。
「だけどね。この志望動機、子どもたちとともに成長したいっていうね、これ。型どおりすぎて、○○らしさが感じられないんだよな。」
先生は見抜いていたのです。わたしの迷い、焦り、打算的なものを。
わたしは絶句してしまいました。
わたしは大きく息を吐いて、先生の言うとおりだといい、自分の迷いや焦りも正直に話しました。
それしか、できなかったのです。
その場で取り繕うことも、嘘を朗らかにつくことも。
その後、来た通知。もちろん結果はダメでした。けれど、何日かあとにあの恩師からはがきが来ました。
「○○。元気ですか。君はまだ君の道を見つけるまで時間がかかるだろう。けれども、きっと自分の道を見つけてしっかり歩く日が来ると信じている。がんばれ。」
わたしは泣きました。ですが、このはがきがあるから、今日のわたしがあるのです。